鬱映画の閲覧注意ランキング37選!後味悪くて落ち込むのに見たくなる名作多数!
楽しい映画に笑える映画、泣ける映画に怖い映画などいろいろな映画がありますが鬱になるようなバッドエンドな映画も良作が多くおすすめです。そんな鬱になるバッドエンドだったり落ち込むような映画をランキング形式でご紹介します。ランキングではネタバレ覚悟で鬱になるストーリーや理由、みんなの評判をご紹介します。洋画だけでなく、邦画の鬱になる映画もランキングではご紹介します。
目次
鬱映画ランキング【名作】37選!
バッドエンドの映画は強い印象を残すので後々まで語られる名作をいくつも生み出しています。現実でもハッピーエンドは面白くないでしょうし、そうはうまくいかないのですから。そんな鬱になる映画を洋画20本、邦画17本をご紹介します。どれも厳選された名作ばかりです。
後味悪くて落ち込むのに見たくなるおすすめ名作多数!
他人の不幸(映画なのでその被害者は存在しませんが)は面白いし興味がある。自分は不幸ではないので自分の幸せを再確認できるからです。そして落ち込むのは他人の不幸を喜ぶ自分への嫌悪感が発生してしまうからでしょう。人間は喜怒哀楽のバランスの上で成り立っているのです。
あらすじからバッドエンドまでネタバレ覚悟でランキングをチェック!
鬱映画という題材なのでバッドエンドが多いのですが、それほどひどい結末の映画というのはあまりありません。これは映画という媒体が万人向けに興行的な成功を収めるために作られているためで、漫画や小説のように自由な表現が許されなかったりするためです。興味のある方は原作もぜひご覧ください。鬱映画ランキング37選ご覧ください。
鬱映画ランキング【洋画】20位~11位
鬱映画ランキング【洋画】20位~11位をご紹介します。どれも鬱になるストーリの映画ばかりです。ホラー映画よりも怖い人間の悪意に恐怖を感じます。ホラー映画のように複数で見てもぬぐえない気分の悪さが残ります。
20位:レクイエム・フォー・ア・ドリーム
おすすめ鬱映画データ
普通の家族が崩壊していく姿を描く
・公開:2000年10月27日
・上映時間:102分
・監督:ダーレン・アロノフスキー
・出演者:エレン・バースティン、ジャレッド・レトー
・視聴可能なサービス:アマゾンプライム、TUTAYA TV
鬱映画ランキング【洋画】20位はレクイエム・フォー・ア・ドリームです。未亡人サラは、定職につかない一人息子ハリーとアパートで暮らしています。サラとハリーはやがてお互いに希望を見つけ生き生きとした生活のために努力するがそこに大きな落とし穴があったのです。
バッドエンド・落ち込む理由
皆幸せになるために努力していますが、結実しないものも少なからずあります。この映画のエンディングは、希望の光もないどん底の状態で終わります。それはこの手の映画では容易に想像できるエンディングであるにもかかわらずとてつもない空虚感に教われるような、救いようのない気持ちになるでしょう。
19位:ミスト
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】19位はミストです。ある田舎町に住むデヴィッドは息子のハリーとともに近所のスーパーマーケットへ買い出しに出かけます。突然、街は濃い霧に包まれ、異変に見まわれます。霧の中からは奇妙な怪物たちが現れます。スーパーに閉じ込められたデヴィッドと住人たちはどうなるのでしょうか。
バッドエンド・落ち込む理由
この映画はホラー映画なのですが、住人に襲い掛かる謎の怪物たちも恐ろしいのですが、極限状態に置かれた人間たちの行動がそれを上回る怖さがあります。外側にも怪物がいますが、内側にいる怪物のほうが危険ではないか、という人間の本質に迫った映画です。
18位:一人ぼっちの青春
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】18位は一人ぼっちの青春です。不況時代のアメリカハリウッドで行われるダンス・マラソンを舞台にした映画です。勝者には賞金が与えられ、それを目当てに多くの挑戦者が押し寄せます。そんな中、ロバートとグロリアという男女が出会い運命が動き出します。
バッドエンド・落ち込む理由
不況時代の失業者達の姿とそれを食い物にする悪徳業者の姿が描かれています。ダンス・マラソンというイベントを描いていますが、無責任で自由な働き方や使い捨てにされる非正規雇用者など、今の日本の姿と妙に一致するものがあります。そして、ロバートやグロリアだけでなく参加者は悲惨な末路をたどります。
17位:ドッグヴィル
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】17位はドッグヴィルです。ギャングに追われている女性グレースは青年トムに出会いロッキー山脈のさびれた炭鉱町ドッグヴィルに連れていかれます。そこでトムは街の住人達にグレースが無料奉仕をする代わりに街でかくまうことを提案し受け入れられます。
バッドエンド・落ち込む理由
この映画を見るとしょせん人間はできるだけ多くの人間の監視がないと平気で問題行動を起こすことが分かります。日本でも度々話題になる田舎暮らしですが、都会では考えられないような住人の行動でリターンしてしまうことがあります。そんな話を思い出させる映画です。
16位:ファニーゲーム
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】16位はファニーゲームです。ゲオルグ、妻のアナ、そして息子のショルシはバカンスを過ごしに湖のほとりの別荘へ向かいます。そんなショーバー一家にピーターと名乗る青年があらわれます。そこにパウルという仲間の青年が現れます。ピーターとパウルは突如豹変しゲオルグに暴行を働きます。
バッドエンド・落ち込む理由
カンヌ映画祭出品時、その凄惨さからヴィム・ヴェンダース監督や批評家、観客がショックのあまり席を立ったと言われています。ロンドンではビデオの発禁運動まで起こったそうで、話の内容も不快なものですが、ピーターとパウルの人を小ばかにした態度は視聴者を不快にさせます。
15位:ダンサー・イン・ザ・ダーク
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】15位はダンサー・イン・ザ・ダークです。人気女性歌手ビョークを主役に据え不遇な主人公の空想のシーンを明るい色調のミュージカル仕立てにした奇抜な構成の作品です。2000年の第53回カンヌ国際映画祭では最高賞であるパルム・ドールを受賞しました。
バッドエンド・落ち込む理由
ツイていない、運の悪い人というのは弱り目に祟り目でとことんまで不幸になるものです。人気講師の林修氏もどんなことでも最初にダメになる人は運のない人だと言っています。この映画は極端にしても、不器用に生きていく人が生きることは難しい世の中なのかもしれないと感じる映画です。
14位:ミリオンダラー・ベイビー
おすすめ鬱映画データ
女性ボクサーの人生を描く
・公開:2004年12月15日
・上映時間:133分
・監督:クリント・イーストウッド
・出演者:クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマンほか
・視聴可能なサービス:アマゾンプライム、ビデオパスほか
鬱映画ランキング【洋画】14位はミリオンダラー・ベイビーです。プア・ホワイトで家族が崩壊している女性マギーは優秀なボクサーを育てるフランキーと出会いボクサーとして成功をしていきます。前半のサクセスストーリーからの後半のストーリーの落差が鬱になる展開になっていて話題になりました。
バッドエンド・落ち込む理由
この映画の後半は尊厳死というテーマを扱っています。日本でも問題になっている医療テーマです。アメリカではキリスト教保守派からの反発を受けたテーマです。また、マギーが最後の試合で四肢麻痺患者になってしまう描写についても尊厳死を重ねるのは悪意がある、と障碍者団体からも非難を受けました。
13位:チェンジリング
おすすめ鬱映画データ
自分の子供が入れ替わっている⁉
・公開:2008年5月20日
・上映時間:142分
・監督:クリント・イーストウッド
・出演者:アンジョリーナ・ジョリー、ジョン・マルコヴィッチ
・視聴可能なサービス:アマゾンプライム、dTVほか
鬱映画ランキング【洋画】13位はチェンジリングです。映画は1920年代にアメリカで実際に起ったゴードン・ノースコット事件を基とした映画です。シングルマザーのクリスティンはある日息子のウォルターが行方不明になり、警察が捜査しウォルターが発見されますがそのウォルターは全くの別人がウォルターとしてクリスティンの元へ帰ってきました。
バッドエンド・落ち込む理由
この事件の問題は誘拐犯と警察です。警察は自分たちの仕事の怠慢を指摘した母親を精神異常者と決めつけてしまういい加減さに問題があったと言えます。日本でも警察の不祥事が話題となっていますが、結局のところ警察だから間違いは起こさないとしているのは幻想にすぎないということが分かります。
12位:リービング・ラスベガス
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】12位はリービング・ラスベガスです。大都会ラスベガスで出会ったアルコール依存性の男ベンと女性シューの束の間の恋を描いた、異色のラブ・ストーリーです。原作者のジョン・オブライエンは自身もアルコール依存症に苦しみ、この小説が映画化されることが決まった2ヶ月後に自殺しました。
バッドエンド・落ち込む理由
男は会社をクビになりベガスに辿り着き、女は一夜の快楽を提供する、心に深い傷を負った娼婦です。本作品では、この二人の愛情と欲望と悲哀が、ジャズのメロディーとともに紡がれています。観終わったときに、何故か心に一筋の明りが残るのは、彼らの愛情があまりに脆くピュアで美しすぎたからでしょう。
11位:運命のボタン
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】11位は運命のボタンです。足に障害を持つ女性ノーマはある日、差出人不明の赤いボタンの付いた謎の装置が送られます。そしてノーマの前に顔の左半面に傷を持ったスチュワートと名乗る老人が現れます。スチュワートはボタンを押せば100万ドルを手に入れることができるが、世界のどこかに住んでいる、貴方の知らない誰かが死ぬことになるというのです。
バッドエンド・落ち込む理由
原作小説は短編だけにアイデアとラストの切り返しが見事な話ですが映画の方は、れを元にスケールを大きく膨らませています。ホラー仕立ての演出がすこし鼻につく部分もありますがミステリアスで、スリリングな展開は最後まで緊張を途切れさせません。Xファイルなどのテイストが好きな方におすすめの映画です。
鬱映画ランキング【洋画】10位~4位
鬱映画ランキング【洋画】10位~4位までをご紹介します。鬱の映画の定番の戦争ものや突然何者かに襲われるものも登場しますが、現実と夢が交差するという精神的な病的不気味さを感じる映画もあります。
10位:ジョニーは戦場へ行った
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】10位はジョニーは戦場へ行ったです。ジョーは、徴兵によって最愛の恋人カリーンに別れを告げて第一次世界大戦へと出征する。しかし、ヨーロッパの戦場で迫り来る敵の砲弾を避けようと塹壕に飛び込むが、目、鼻、口、耳を失い運び込まれた病院で、壊疽して機能しない両腕、両脚も切断されてしまいます。
バッドエンド・落ち込む理由
ジョーは姓名不詳重傷兵第407号として、前線の手術室に横たわり、延髄と性器だけが助かり心臓は動いています。軍医長テイラリーは「もう死者と同じように何も感じない、意識もない男を生かしておくのは、彼から我々が学ぶためだ」と彼を生かす理由を説明します。そんな彼はモールス信号で他社とコミュニケーションをとろうとします。
ネタバレ注意レビュー
ジョーは「自分を公衆の前に出して陳列してくれ(自分を維持するにはお金が掛かる筈だから、その見物料金を充ててもらいたい)」それは出来ないと軍医が返事をすると、「では殺してくれ」と答えるジョー。あとは何を言っても殺してくれとだけモールス信号で訴えるジョー。看護師は彼を助けるために人工呼吸器を外そうとしますが…。
9位:リミット
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】9位はリミットです。ライアン・レイノルズの一人芝居のみで話が進められる映画です。イラクで働くアメリカ人トラック運転手のポールは、突然何者かに襲われる。しばらく意識を失っていた彼が目を覚ましたのは、土の下に埋められた閉ざされた箱の中だったのです。
バッドエンド・落ち込む理由
充電切れ間近の携帯電話、オイルの尽きかけたライターが彼の命綱となります。ほかにはナイフ、ペン、酒と役に立たなそうなものも一緒に埋葬されています。場面はずっと棺桶の中だけなので退屈になってしまうと思われるかもしれませんがスリリングなストーリー展開に飽きることはありません。
ネタバレ注意レビュー
LIMITってクソ胸糞映画を風呂で見た結果のぼせた上に内容もあいまって酸欠で死にそう
— シェバ՞ةڼ◔ (@shava8192) April 19, 2019
この映画で絶望させているのはアメリカ政府の人命救助へのやる気のなさとその場しのぎの対応、そして無能さが見ていてイライラさせます。さらにポールが所属する請負会社のCRT社のブラック企業ぶりは立派に感じるほどです。日本でも海外に派遣された会社員がテロによって殺害される事例がありましたがそれを思い出してしまう映画です。
8位:ホステル
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】8位はホステルです。クエンティン・タランティーノが製作総指揮をした海外にバックパッカーとしてやってきた若者を襲う恐怖の出来事を描きます。アメリカ人大学生のパクストンとジョシュはアイスランド人のオリーと出会いスロヴァキアのホステルへ宿泊します。
バッドエンド・落ち込む理由
異変はオリーの失踪から始まります。そしてジョシュまでもが姿を消してしまいます。パクストンはやがてこの街がバックパッカーたちを女性を使って誘い込み、次々と拷問に合わせて殺していることが分かります。警察にに助けを求めようとしますが警察も彼らの仲間だったのです。パクストンはこの狂気の街から脱出できるのでしょうか。
ネタバレ注意レビュー
ごんごんが前に喋ってたと思うけど、めちゃくちゃ最後がグロい
— ろーど (@Road757) April 21, 2019
あの映画「ホステル」にもアナザーエンディングあるのよ。
アナザーはグロくはないけど後味が悪い、でもそっちのがパクストンらしい気もするって感じの。
拷問シーンの痛々しさや、館の中の全体的な人肉のどす黒さや血生臭さは見事な不快感だらけなのですが、後半にかけてのストーリー展開は意外にも爽快かもしれません。女どもは車で轢き殺し、最も許せない男は自らの手で徹底的に傷めつけ同じ目に合わせるからです。
7位:パンズ・ラビリンス
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】7位はパンズ・ラビリンスです。1944年スペインの軍事政権下内戦終結後も戦いが続く山奥で母の再婚相手のところへ来た少女オフェリアは、つらい現実から逃れるため童話の世界に身を投じます。パンとはギリシャ神話の半神半獣の牧羊神パンのことでパニックの語源になっています。
バッドエンド・落ち込む理由
新しい父、そして母にはその父の新しい子供、見知らぬ新天地、この孤独な環境の中オフィリアに孤独を抱えるなというほうが無理なのかもしれません。オフィリアはやがてその孤独が現実のものとなり、幻想の世界に没頭していくのでした。そしてその幻想の世界と現実との境界線があやふやになり、やがてオフィリアの中で一つになっていってしまうのです。
ネタバレ注意レビュー
つらい現実から目を背けるように幻想の世界に逃げ込むというのは統合失調症に見られる症状であると言います。オフィリアはハムレットに登場する人物と同名で彼女もやがて狂気に囚われ、やがて事故により命を失います。この映画でも幻想の世界に囚われ、やがて命を奪われるという点に共通性を感じることでしょう。
6位:チョコレートドーナツ
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】6位はチョコレートドーナツです。70年代のブルックリンでゲイのカップルが育児放棄された障害児を養子縁組をして子育てをしたという実話をもとに作られた映画です。ゲイのカップル、ルディとポールは薬物中毒で母親が逮捕され孤独になった少年マルコを引き取ろうとします。
バッドエンド・落ち込む理由
2人はダウン症の障害児マルコの監護者として裁判所に認められ、しばらくの間幸せな時間を過ごします。が、ゲイカップルに批判的な活動家や近隣の住人たちが同性のカップルの間で育てられる子供は不幸だと断罪し、世論の動きに敏感に反応した裁判所が監護者としての2人の認可を取り消してしまうのでした。
ネタバレ注意レビュー
映画チョコレートドーナツ観ました。
— 鈴夏(りんか)*お洒落クソ野郎推し (@xx_julymetal_xx) April 16, 2019
時代が1970年代を舞台にしてるからか7年も前の映画だとは思えなかった。
最後ずっと泣いてしまった。
今でも思い出すと泣けてくる。
ハッピーエンドを願わずにはいられない映画だったな。
色んな人に観てもらいたい映画。
2人から引き離されたマルコは母親の元に戻されますが、薬物中毒の母親が育児などできるはずもなく、マルコは事故か事件かともかく亡くなってしまいます。無責任にルディとポールから引き離した世間も裁判所も気に掛けることもなく反省もなく自分たちのしたことは正しいと誇りながら日常が過ぎていくのでした。
5位:シャッターアイランド
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】5位はシャッターアイランドです。連邦保安官のテディは精神病の患者を隔離する施設のあるシャッターアイランドで女性患者のレイチェルが失踪する事件の捜査に向かいます。そこにはレイチェルが書いたと思われるの謎のメモや彼女の担当医師がテディと入れ違いで本土へ向かったことが分かります。
バッドエンド・落ち込む理由
テディはもう一つの目的をもってこの精神病院へ来ました。それは妻を放火で殺したレディスがこの病院に収監されており、その取り調べでした。ところがそのレディスのデータがなぜかありません。テディは疑問を持ちさらに捜査を進めるとこの病院ではロボトミー手術が行われていることが分かります。
ネタバレ注意レビュー
この映画は最後に大どんでん返しが待っています。テディは一体何者なのかが見ている人間にとっては気になることでしょう。しかしそれは視聴者一人一人が答えを出すしかないような構成の映画になっています。おそらく多くの人はこの映画を何度も見返すことになるでしょう。
4位:レスラー
おすすめ鬱映画データ
ベテランのプロレスラーの人生
・公開:2008年9月5日
・上映時間:115分
・監督:ダーレン・アロノフスキー
・出演者:ミッキー・ロークほか
・視聴可能なサービス:アマゾンプライム、TUTAYA TVほか
鬱映画ランキング【洋画】4位はレスラーです。20年前人気レスラーだったランディ・”ザ・ラム”・ロビンソンは今では人気も落ちて生活もままならずアルバイトで糊口をふさぐ毎日でした。そんな中、ランディに中東の獣と呼ばれたアヤトッラーとの20年ぶりのマッチの話が舞い込みます。
バッドエンド・落ち込む理由
ランディはある試合で心臓発作を起こし病院へ運ばれます。若いころから摂取し続けたステロイドなどの影響で体が弱り、限界にきているのです。そして愛する女性ができるのですがその女性ともなかなかうまくいかないのです。心臓の痛みよりも現実のほうが彼を傷つけ厳しかったのです。
ネタバレ注意レビュー
ミッキー・ローク主演の映画レスラーを思い出した。ボクサーもレスラーも最後が物悲しい人が多い気がする。文字通り体を張って生きていた人が、歩くのもままならなくなっていく、とか引退してから身を持ち崩すとか。 とりあえず永久保存する。
— たろ (@tarotonico) April 14, 2019
この映画はスポーツ選手の生きざまの問題を鋭く描いています。肉体改造のためステロイド剤や苦痛を和らげる目的の鎮痛剤などの大量の薬物や商業主義と虚栄に踊らされる姿は現代を鋭く風刺していると言えます。日本ではスポーツ選手の引退後の生活が問題になっていますが使い捨てになる姿が哀れさを感じます。
鬱映画ランキング【洋画】3位~1位
鬱映画ランキング【洋画】3位~1位をご紹介します。3作とも映画史に燦然と輝く名作です。うち2つはアメリカンニューシネマの旗手となった映画です。もう一つはのちに高い評価を受けることとなった超名作です。
3位:カッコーの巣の上で
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【洋画】3位はカッコーの巣の上でです。精神異常を装って刑務所での強制労働を逃れた男が、患者の人間性までを統制しようとする病院から自由を勝ちとろうと試みる物語です。第48回アカデミー賞で作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞と主要5部門を独占しました。アメリカンニューシネマの代表作となりました。
バッドエンド・落ち込む理由
マクマーフィーは服役から逃れるために精神病院に偽って入院してきた。そして病院の定めたルールに片っ端から反抗していきます。グループセラピーなどやめてテレビでワールドシリーズを観たいと主張し、他の患者たちに多数決を取ったりなどもします。最初は患者たちは決められた生活を望むが、マクマーフィーとともに生活をするうちに彼に賛同するようになります。
ところがマクマーフィーとその仲間の勝手な行動に病院はついに強硬手段に出ます。彼は更生のための特別施設へ送り込まれてしまいます。しかし彼の影響を受けた患者たちは少しずつ自分の意思を表明するようになりりますが、これに危機感を覚えた婦長のラチェッドはマクマーフィーにロボトミー手術を受けさせるのです。
ネタバレ注意レビュー
「カッコーの巣の上で」
— りえ@映画好き (@ljHaosJ2E2Ayw95) April 13, 2019
高校の時に観て衝撃を受けた。
受刑を逃れるため精神科の施設に入所した男の話。
最初は男のやる事に懐疑的だったが、実はそれが正しい事に驚き、どんな人にも自由と尊厳があるべきだし、型にはめるべきでもない事を知った。
J・ニコルソン凄いです‼️ #映画好きと繋がりたい
悪人であるマクマーフィーが社会的な弱者で意見を表明することを自ら放棄してしまった人々にふたたびその意志を持たせるのは社会の規範をきっちり守る婦長との対比がとても考えさせられる描写です。患者の治療を優先させるのか、それとも自分の仕事をこなすのが優先なのかどちらにも一部の正義があるのは現実でも同じであると感じさせます。
2位:タクシードライバー
おすすめ鬱映画データ
ゆがんだ正義感を持つタクシードライバー
・公開:1976年2月8日
・上映時間:114分
・監督:マーティン・スコセッシ
・出演者:ロバート・デ・ニーロ、ジョディ・フォスターほか
・視聴可能なサービス:アマゾンプライム、U-NEXTほか
鬱映画ランキング【洋画】2位はタクシードライバーです。ベトナム戦争帰りの元海兵隊員のトラヴィスは、戦争による深刻な不眠症を患っているため定職に就くこともままならずタクシー会社に就職します。彼は退廃したこの街や世界に嫌悪感を感じていました。そんな中、社会からドロップアウトした少女アイリスに出会います。
バッドエンド・落ち込む理由
アイリスは麻薬患者、ポン引き、娼婦たちがたむろするイースト・ビレッジで、ポン引きでアイリスのヒモであるスポートに追われていて、泥沼から足を洗うように説得するトラビスは、運命的な使命を信じるようになります。それはアイリスを救い出し、自分がこの世界を浄化する使命があると信じるようになりました。そして彼はマフィアから違法な銃器を購入して武装していきます。
おはようございます。映画「タクシードライバー」のなかに「あまり思い詰めずに気軽にやる。色んな奴を見てきたがそれが一番だ」という台詞がある。ついつい思い詰めてしまいがちだが肩の力を抜き自然体でいることが困難を乗り切る秘策だと山形ユキオは思います。今日も力を抜いていきましょう。
— 山形ユキオ (@yukioyamagata1) April 10, 2019
トラヴィスは浄化作戦を実行に移します。次期大統領候補バランタインの集会に現れたトラヴィスはシークレット・サービスに目撃され人混みの中を逃げ去ります。その夜トラヴィスは、アイリスのヒモ、スポートを始末します。続いて用心棒、さらにアイリスの眼前で買春客を立て続けに射殺し、自らも銃弾を受けて重傷を負いました。マスコミはそんな彼を一人の少女を裏社会から救った英雄とたたえました。
ネタバレ注意レビュー
「タクシードライバー」のトラヴィス、ああなりたくはないが憧れさせる男ではある。
— 梁煥永ﷺ (@Ryang_Fang4) April 21, 2019
トラヴィスはベトナム戦争に参戦し、敗残兵としてアメリカに帰国したものの暖かく迎え入れられず、あの戦争は間違いだったと非難されます。彼を狂わせてしまったのは他でもないアメリカ社会であることは明白と言えます。トラヴィスの自発的な闘いは開拓時代から続いてきた自主自衛というアメリカ建国神話を担って来たわけですが現代社会とのズレがトラヴィスを社会から孤立させる理由となっています。
1位:ショーシャンクの空に
おすすめ鬱映画データ
誠実や希望に生きる意味は
・公開:1994年9月10日
・上映時間:143分
・監督:フランク・ダラボン
・出演者:ティム・ロビンス、モーガン・フリーマンほか
・視聴可能なサービス:hulu、アマゾンプライムほか
鬱映画ランキング【洋画】1位はショーシャンクの空にです。銀行員のアンディは、妻とその愛人を射殺した罪に問われ、無実を訴えるも終身刑の判決が下り全米でも指折りの劣悪な環境のショーシャンク刑務所への服役が決まります。アンディはそのショーシャンク刑務所の中で受刑者たちを強権的に抑える刑務所所長を含めて刑務官たち、受刑者たちと強烈なキャラクターを持った人々と出会います。
バッドエンド・落ち込む理由
長年服役する「調達屋」ことエリス・ボイド・レディング(レッド)、腐敗した刑務所を運営するノートン所長とハドリー主任刑務官、あらくれ者のホッグスなど様々な登場人物が登場します。アンディも彼らから不快な扱いを受けます。やがてアンディは元銀行員であるキャリアを生かしてノートン所長や刑務官達の税務処理や資産運用の処理を任せられるようになります。
刑務所での生活を続けるアンディでしたが、ある日新入りのコソ泥、トミーから真犯人に迫る情報を得て再審請求を出します。不正蓄財を続ける刑務所の職員たちはアンディが再審請求が認められ出所することを恐れ、懲罰房に監禁し再審を取り下げるよう脅迫します。さらに証言者のトミーもハドリーが脱走の罪を着せられ射殺されます。アンディはトミーの死によって再審請求が難しくなりいよいよ脱走を図ります。
ネタバレ注意レビュー
映画「ショーシャンクの空に」で、「希望は危険なものだ。正気を失わせる。塀の中では特に禁物だ。」というレッドのセリフがある。しかし、塀の外なのだが、もしかしたら、私達は別の意味の無気力という塀の中かも…。https://t.co/JrWGxuGj34
— フリーマン (@pc_human) April 21, 2019
公開当時本作はフォレスト・ガンプやパルプ・フィクション、スピードといったビックネームの影に埋もれ知名度は低かったのですが、批評家達から高い評価を受けます。その後ビデオ販売やレンタルによって、徐々に人気を獲得し、ファンを広げていった経緯があります。本当にいい映画というのは売り方に関係がなくヒットするということを証明しました。
鬱映画ランキング【邦画】17位~10位
鬱映画ランキング【邦画】17位~10位までをご紹介します。兄弟姉妹の間の縁の切れない関係だからこそのわだかまり、学校でのいじめなど身近な人間関係での悲劇を描くものが多いです。
17位:ゆれる
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】17位はゆれるです。東京で写真家として成功した早川猛は母が亡くなりそのために久しぶりに故郷へ帰郷することになります。実家には父と兄の稔がおり、父と兄は家業のガソリンスタンドを続けていて、そこの従業員に猛の元彼女の智恵子がいました。
バッドエンド・落ち込む理由
ある時猛が山道で写真を撮っていると吊り橋に智恵子と兄がいるのを目撃し、智恵子が橋から落下する姿を目撃します。この映画の見どころは何といっても香川照之の怪演です。日常と非日常、正常と狂気、その狭間を揺れ動く人間の危うさ、切なさを見事に演じた香川に圧倒されます。
16位:害虫
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】16位は害虫です。中学1年のサチ子は父はなく自殺未遂をした情緒不安定な母と暮らしている。彼女は家庭にも学校にも自分の居場所が見つからず不登校のままです。彼女は不安定で誰かに依存したりするのですがその依存された相手は不幸になっていくのでした。
バッドエンド・落ち込む理由
サチ子自身が悪いわけではないのですが、サチ子に関わった人たちが、悲しいかなどんどん駄目になっていってしまいます。このサチ子の無防備さが害虫であると監督は語っています。無防備すぎるのが悪い。無邪気、無防備など決して彼女が悪いわけではないのですが今の社会においては悪になってしまうのだと感じさせる映画です。
15位:リリィ・シュシュのすべて
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】15位はリリィ・シュシュのすべてです。岩井俊二原作でインターネット掲示板を用いた誰でも書き込みができる実験的なインターネット小説を基にインターネット小説が公開され、後に原作本と映画が制作されました。現実と架空をリンクさせた構成と、現代の少年問題を描いた内容が大きな話題を呼んだ。岩井によると「遺作を選べたら、これにしたい」作品だそうです。
バッドエンド・落ち込む理由
中学生たちのいじめ、恐喝、万引き、援助交際、殺人、自殺など社会の闇の部分を描いているため、過激な表現も多く、出演者には体当たりな演技が求められ生徒役の少年が全裸で田んぼの中を泳いだり、少女が実際に丸刈りにしています。思春期独特の閉じた世界で少年少女たちが息苦しいぐらいに追い詰められていく姿は必見です。
14位:葛城事件
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】14位は葛城事件です。郊外に住む葛城清、妻の伸子、長男の保、次男の稔はそれぞれに大きな問題を抱えています。パワハラ、モラハラで相手を苦しめる父の清、そんな父の言いなりになる伸子、人間関係に苦悩しリストラされたことを話せない保、引きこもりでやがて8人殺傷の事件を起こす稔と家庭はやがて崩壊を迎えます。
バッドエンド・落ち込む理由
この映画の父は一昔前なら普通に日本社会にいた種類の人間で見る人の年代によって大きく印象が変わるでしょう。妻も夫に従う、という考えも昭和の時代には当たり前でした。ただ、長男と次男だけはそんな家庭に育ち、激しく価値観が変容していった平成という時代にうまく歩調を合わせられなかったのではないか?と感じる映画です。
13位:腑抜けども、悲しみの愛を見せろ
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】13位は腑抜けども、悲しみの愛を見せろです。長女の澄伽は両親の訃報をきっかけに東京から実家に戻ってきます。女優になることを目指して上京していた澄伽は自意識過剰な勘違い女です。自分が女優として認められないのは妹・清深が自分のことを題材にした漫画を描いているせいだと考えます。
バッドエンド・落ち込む理由
田舎の、親族が中心の息が詰まりそうな人間関係におもしろさがある映画です。女同士のパワーに押されたのか、血の繋がらない兄は自殺します。妹は姉の姿を見て漫画のネタにして成功を掴んでいきます。最後は一緒に上京することになるのですが、妹は姉とどんな関係を築いていこうとしているのかがこの映画の最大の謎ともいえます。
12位:キャタピラー
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】12位はキャタピラーです。太平洋戦争中、黒川シゲ子の夫・久蔵は中国戦線へと出征していきました。そしてシゲ子のもとに帰ってきた久蔵は、顔面が焼けただれ、四肢を失った無残な姿で帰還します。奇異の眼を向けられながらも、多くの勲章を胸に生ける軍神と祀り上げられます。
バッドエンド・落ち込む理由
我々には戦争の悲惨さは体験すること(しないほうがいいのですが)はできません。戦争映画のほとんどはその英雄譚などの良い部分しか私たちには知らされないものです。この映画は戦争が個々人に与える影響がよく描かれています。そして人間の愚かさや無責任さにも気分が悪くなる映画です。
11位:全員死刑
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】11位は全員死刑です。2004年に福岡県で発生した大牟田4人殺害事件を次男の獄中手記をベースに映画化したバイオレンス作品です。ちなみに全員死刑というタイトルですが、実際に事件を起こした夫婦とその息子2名が死刑判決を受け現在、福岡拘置所にて死刑囚として服役中です。
バッドエンド・落ち込む理由
借金を抱えたヤクザである父親テツジとヒステリックな母親ナオミという両親に囲まれたタカノリは、家族を借金苦から救うため、すぐ近所に住む闇金の資産家吉田を襲撃し財産を奪う計画を立てます。しかし、タカノリは兄のサトシとともにその無計画さから吉田一家の息子を殺害してしまい一人殺したら後は同じとばかりにほかの家族も殺そうとします。
鬱映画ランキング【邦画】10位~4位
鬱映画ランキング【邦画】10位~4位をご紹介します。邦画の鬱になる映画は家族関係や隣人関係など狭い範囲で起こることが多いような感じがします。洋画は街や何かの組織によって引き起こされるというものが多いようです。日本人と西洋人の世間の範囲が違うようです。
10位:八甲田山
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】10位は八甲田山です。1902年に青森連隊が八甲田山にて雪中行軍の演習中に遭難し、210名中199名が死亡した事件(八甲田雪中行軍遭難事件)を題材に極限状態での組織と人間のあり方を問いかける映画です。天は我々を見放した、は当時の流行語になるほどヒットしました。
バッドエンド・落ち込む理由
日清戦争終結後、ロシアの南下により満州の情勢が緊迫し、軍部はロシアとの戦争の可能性を危惧していました。そこで軍部はロシアとの本格的な戦争に備えて八甲田山にて寒地訓練を実施します。軍部も冬の八甲田山の恐ろしさをこの時誰も想像もしていなかったのです。そしてそれが八甲田山での演習で決定的な悲劇を生むことになるのでした。
ネタバレ注意レビュー
この映画では戦犯扱いをされているのが神田大尉です。彼は確かに責任者ではあるものの何度も誤りを修正しようとしているので彼だけが悪いというわけではありません。本当に悪いのは山田少佐で訓練を自分の政治的野心から身勝手な行動が悲劇を呼んだのです。神田大尉は死んでしまうのですがなんともやり切れません。
9位:生きる
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鬱映画ランキング【邦画】9位は生きるです。監督はあの黒澤明で作品の中でも、そのヒューマニズムが頂点に達したと評価される名作です。劇中で志村演じる主人公が公園のブランコにのって一人で「ゴンドラの唄」を口ずさみながらブランコをこぐシーンは日本映画史の名シーンとしてよく知られています。
バッドエンド・落ち込む理由
市民課の課長である渡邊勘治は、30年間皆勤のまじめな公務員です。ある日、体調不良で病院の診察を受けた勘治は、自分が胃がんに侵されていて余命いくばくもない身だと知らされました。不意に訪れた死への不安などから、これまでの自分の人生の意味を見失った渡辺は、市役所を無断欠勤しこれまで貯めた金で夜の街で放蕩しますがどうも面白くないのです。
ネタバレ注意レビュー
#黒澤明 #生きる 堅物の市民課長を襲った胃がん。名優志村喬の眼の演技が凄かった。どんどん生きて生きて生命を活かしてから、死んでしまうまで。
— 不死身の風雅@ジャンルレス(長野のニールヤング愚直孤太郎さんを勝手に宣伝中) (@As5a3plLCwEKnUx) February 26, 2019
リアリティが、人間が、描いてあり、非常に面白かったです。黒澤映画見ハマりそう。
この映画は生きる、という普遍的で哲学的な問題を黒澤明風にとらえた作品と言えるでしょう。人はパンのみにて生きるにあらず、という言葉があります。人はただ生きればいいというものではないのでしょう。この映画の主人公も生きる、という意味を死と引き換えにして得ることができました。私たち一人一人がどんな生きる、を見つけるのか考えさせられる映画です。
8位:嫌われ松子の一生
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鬱映画ランキング【邦画】8位は嫌われ松子の一生です。松子は53歳で他殺死体となって発見されます。甥の笙は親族として松子の部屋の整理に訪れます。そしてそこで今まで知らされていなかった伯母・松子の半生を知っていくことになります。
バッドエンド・落ち込む理由
福岡で生まれ、両親にあまり可愛がられずに成長した松子はやがて教員になりますが教え子とのトラブルでその職を追われ、数々の男たちとの恋愛の後に身を持ち崩していきます。そして最後の最後まで彼女は救われることもなく、悲惨な目にあい続けていくのでした。
ネタバレ注意レビュー
嫌われ松子の一生を見た。めちゃくちゃ不幸な話をあえて不幸な演出で見せないことで最後まで見続けられるんだけど、見終わった後になって急にずっしりくる。演出絶妙。
— いづいづ (@izumii19) April 21, 2019
悲惨な内容ばかりなのですが不思議と悲惨さをあまり感じさせない演出なので見やすい万人向けの映画といます。鮮やかな色調の映像とポップで軽快な音楽、コミカルでテンポ良いストーリー展開にこれまでにない面白さも感じます。それと、なんとも豪華な出演陣なのがこの作品の見逃せないポイントです。
7位:ヒミズ
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鬱映画ランキング【邦画】7位はヒミズです。ギャグマンガの金字塔、稲中卓球部で有名な古谷実のバイオレンスクライム作品を原作とした映画です。それまでのギャグマンガ家としての古谷実が大変化を迎えた作品で話題になりましたが、稲中ほどのヒットにはつながっていません。
バッドエンド・落ち込む理由
母親とともに貸しボート屋を営む中学生の祐一は平凡な人生にあこがれていた。そんな中、母親は男と出て行ってしまう。そしてそんなときに元父親が現れ、金を借りに来るのです。父親は借金をして取り立てに合っていたのです。祐一は生活を乱され、情緒不安定になり父親を殺害、彼は暴走を始めます。
ネタバレ注意レビュー
漫画の原作に比べるとだいぶ救いのあるストーリーに改変されています。おそらく、この映画の公開の前年に起った東北大震災にかなり影響を受けているようで、登場人物の何人かが被災者という設定になっています。原作ファンでもそれほど違和感なく受け入れられるのは監督の力量のおかげでしょう。
6位:誰も知らない
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鬱映画ランキング【邦画】6位は誰も知らないです。1988年に発生した巣鴨子供置き去り事件を題材として、「万引き家族」の是枝裕和監督が15年の構想の末に映像化した作品です。母の失踪とその後の子供たちの過酷な状況の中で幼い弟妹の面倒を見る長男の姿を通じ、家族や周辺の社会、行政の問題点を浮き彫りにした問題作です。
バッドエンド・落ち込む理由
母親のけい子、長男の明と3人の子供たちはそれぞれ異父兄弟たちで、出生届が提出されていない無戸籍状態にありました。大家に敬遠されることを恐れて、けい子は表向きでは明との二人暮らしを装い、他の子どもたちの存在を世間にひた隠しにして生きてきました。このことがのちの放置される期間を延ばしてしまう原因を作ってしまいます。
ネタバレ注意レビュー
実際に起こった「巣鴨子供置き去り事件」を元にして制作された映画「誰も知らない」(2004年 日本)を4月2日まで無料配信中!2時間20分の作品ですが、時間を忘れて最後まで引き込まれてしまいました→ http://t.co/NkFx0XWFqa
— きっこ (@kikko_no_blog) March 21, 2014
是枝監督は家族とその群像を描くことにたけていますが、万引き家族とこの誰も知らないを比べてみると、血縁関係のない「万引き家族」の柴田家と血縁関係のある「誰も知らない」の福島家には違いが大きく表れます。血縁関係のある福島家のほうが家族に対して冷酷非情という矛盾があるのです。血縁があるからこそのわずらわしさがそこにあるのかもしれないと考えてしまいます。
5位:冷たい熱帯魚
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鬱映画ランキング【邦画】5位は冷たい熱帯魚です。1993年に埼玉県熊谷市で起きた埼玉愛犬家連続殺人事件をベースとした映画です。小さな熱帯魚店を経営する信行は、死別した前妻の娘・美津子と後妻・妙子の不仲に困惑しつつ対処できずにいました。そんな美津子はある日万引きを起こしそこに同業者の村田が現れます。
バッドエンド・落ち込む理由
村田は美津子を自分の会社で雇い入れ、妻の妙子を洗脳し、また信之もその術中にはまり一家は村田の言いなりになっていしまいます。村田は言いなりになった信之たちにビジネスパートナーの男性の殺害を手伝わされることになります。やがて信之も村田の影響を受け心の中で変化していくのでした。
ネタバレ注意レビュー
信之はこの映画で被害者であり加害者となる役ですが、もしかしたら本当の加害者たる人間は娘の美津子ではないか、と考えられる場面が多く出てきます。妻の妙子もかなり問題がある人物であることも信之が哀れに見える理由です。遅かれ早かれこの家庭は村田が現れなくても崩壊する運命にあったのかもしれません。
4位:隣人13号
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】4位は隣人13号です。井上三太原作の漫画の映画化作品です。いじめと解離性同一性障害(二重人格)を題材にしたサイコ・スリラーです。小学生時代に十三はトールにいじめられていました。その時に硫酸を顔に掛けられもうひとりの人格である13号が生まれました。そして十数年後、十三はトールとその家族へ復讐するために近づきます。
バッドエンド・落ち込む理由
十三はトールに硫酸を顔面に掛けられその時にもう一つの人格「13号」が誕生します。十三は再会したときにトールが自分をいじめていた相手であることをすっかり忘れていることに気づいて、トールの息子の勇気を連れ出し殺害しようとするのでした。
ネタバレ注意レビュー
サイコホラーがマイブームになってるので隣人13号を見た
— アークライト (@arcnight101) April 18, 2019
原作未読だけど時間の大胆な編集と映像の解釈を観客に任せるという映画の強みとなる二つの演出が結末にピタリとハマった良作だった
唯一、中村獅童のキの字の演技がステロタイプすぎるとこだけ気になる
この映画は2つのエンディングが用意されています。1つはバッドエンドですがもう一方は小学校6年生の時点に遡り、硫酸を掛けられる寸前で十三が反撃してその後はなぜか仲良くなっていじめがなかったことになるハッピーエンドです。なぜこのような構成になっているのかは悩むところです。
鬱映画ランキング【邦画】3位~1位
鬱映画ランキング【邦画】3位~1位をご紹介します。日常から運悪くこぼれ落ちてしまった人々の悲劇が描かれた作品が登場します。特に1位の作品は明日突然巻き込まれる可能性がある悲劇であり、この国への不信感が高まる作品です。
3位:火垂るの墓
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鬱映画ランキング【邦画】3位は火垂るの墓です。野坂昭如原作小説をスタジオジブリの高畑勲が映画化した作品です。第二次大戦下の神戸、西宮を舞台に14歳の兄清太と4歳の妹節子が終戦前後の混乱の中を必死で生き抜こうとする映画です。
バッドエンド・落ち込む理由
清太と節子は母の雪子を神戸の大空襲で失い、父の遠縁にあたる家に預けられました。しかし、その親類の家の住人は清太たちの財産を勝手に処分したり、食糧配給品を勝手に横取りしたりしたために、不仲になり清太と節子はその家を出て、近隣にある防空壕の中に逃げ込みそこで生活を始めます。
食糧不足が深刻になり清太は火事場泥棒や畑荒らし、子どもの食べ物を盗むなどあらゆる手を使って食糧を手に入れます。しかしそれでは栄養が足りず節子は衰弱し、下痢で下着を汚すようになりました。やがて節子は寝たきりになります。戦争が終わった知らせが入りますが、清太と節子の暮らしは向上しません。
ネタバレ注意レビュー
やがて節子は衰弱死して、節子の死をきっかけに清太も生きる気力を失いほかの浮浪児たちと同様に眠るように亡くなります。一般的にこの清太のコミュニケーション能力の欠如が問題だった、とする意見もあるようです。
2位:凶悪
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鬱映画ランキング【邦画】2位は凶悪です。1999年に実際に起きた凶悪殺人事件「上申書殺人事件」を基に、獄中の死刑囚が告発した殺人事件の真相を新潮45(現在廃刊)の編集部(当時の編集長は中瀬ゆかり)が暴き、首謀者逮捕に至るまでを描いた犯罪ドキュメントです。
バッドエンド・落ち込む理由
明朝社の記者である藤井はある時、死刑囚須藤から未発覚の殺人事件の告白を受けます。3件の殺人事件は須藤がかつて先生と呼んでいた不動産ブローカーが主犯として行い、須藤が実行していたのです。藤井は疑いながらも取材を続けるとやがてこの事件の確証を得ていくことになります。
事件の確証を得た藤井は先生こと木村を取材しようと向かいますが、嫌がる木村は警察を呼び藤井を逮捕します。藤井は事件のことを警察に話すと警察側の態度が豹変し「記事にするのはやめろ」と自分たちの落ち度がばれることを嫌がります。しかし、藤井はこれを記事にして世間の大きな反響を得ました。
ネタバレ注意レビュー
『凶悪』(日本、白石和彌、2013)
— mayu_tomo (@mayu_to12) April 16, 2019
新潮45編集部のノンフィクションをもとにしたもの。リリー・フランキーの軽薄さとピエール瀧のたががはずれたノリ。厄介な老人を抱えた家族のじっとりとした感じ。日常や平凡と地続きな暴力や悪意がすごい。
この映画では事件を暴く過程を中心にストーリーが展開していきますが、もう一つのストーリーとして藤井の母親の介護についてが描かれています。藤井の母の介護について妻に任せきりにしておりその現実から逃れるために仕事に熱中しているともとれるのがこの映画のスパイスになっています。
1位:それでもボクはやってない
おすすめ鬱映画データ
鬱映画ランキング【邦画】1位はそれでもボクはやってないです。「shall we dance?」の周防正行監督の10年間の丁寧な取材によりまとめられた日本の刑事裁判、人質司法に疑問を投げかける社会派の作品です。2002年に起きた西武新宿線痴漢冤罪事件をもとにほかの痴漢冤罪などのエピソードをちりばめた映画です。
バッドエンド・落ち込む理由
金子徹平は朝の通勤ラッシュの中、就職の面接に向かいます。女子中学生に痴漢と間違えられて、有無を言わさず駅員室に連行され、駅員からの無実の罪を被って示談で済ませるという妥協案を拒み、あくまで濡れ衣を晴らそうとした徹平は、まもなくやってきた警官に逮捕・連行され、更には起訴されてしまいます。
しかし、徹平の言い分は警察には通用せず、早く仕事を処理したい警察はすぐに起訴し、送致されることになります。しかし、徹平の彼女や親、弁護士、周辺の人たちの協力で冤罪を晴らすための戦いが始まります。定型の仕事しかしない警察や検察は一筋縄でいく相手ではありません。絶対正義の彼らに果たして徹平は勝利できるのでしょうか。
ネタバレ注意レビュー
今日は、朝から、『それでも僕はやってない』という、痴漢冤罪の映画を観てから、撮影現場に向かっています。
— 高崎翔太 (@takasaki_shota) December 11, 2017
電車が恐ろしいです(°_°)笑
とりあえず両手を上に、高く上げ、現場まで向かうとします。
この映画は痴漢についての警察や検察のありようについて論争になりました。また、被害者側の女性の権利を妨害するものだという女性団体などからの批判も起こりました。現実的に日本の司法制度は海外からも批判されており、元日産会長のカルロス・ゴーン氏などはとくに強く非難しています。映画の公開から12年も経過していますが、日本の司法は何も変わっていません。
スッキリしない鬱映画のどこが面白いの?
鬱映画の楽しみ方として鬱映画の中に登場する行政や警察(それでもボクはやっていないなど)といった公権力や、力のある企業などがなぜ問題に無関心で介入しようとしないのかというのを考えてみるとアナザーストーリーが考えられます。現実の世界のほうがよほど鬱になる世界だと気づくかもしれません。
見てはいけないと思ってしまうと逆に見たくなる不思議
人はタブーに弱い
日本では鶴の恩返しや海外ではパンドラの箱などがあります。人は見るなと言われてもその正体を知ろうとしてしまうのは本能的なもので、かつて人類はその本能のおかげで様々な秘密を暴くことによって問題を解決してきたのです。ですから、見てはいけないと思ってしまうと逆に見たくなるのは当然のことなのです。
恐怖と快感
何故恐怖と快感は同居するのでしょう。かつての人類は新天地を求め未知の領域へ踏み出す時にこの脳の働きによってさまざまな困難や恐怖に出会っても乗り越えてきたのだと言われています。例えばバンジージャンプは普通に見れば恐怖しかありませんが、海外のあう村では行うことで大人として村の社会に受け入れられるという快感を得るために行われています。
鬱映画を見て落ち込んだらどう気分転換すればいい?
大丈夫です、あなたは映画の中の登場人物とは違うのですから。それに映画に近い出来事があっても映画をみていて予習はバッチリなので最悪の事態は避けられるはず、と言っても気休めにしかなりません。というわけで落ち込んだ時の気分転換の方法をご紹介します。
落ち込んだ後の気分転換におすすめの方法とは
寝てしまう
ですから、落ち込んだ時は別のくだらないどうでもいいことを考えてベッドに入って部屋を暗くして寝てしまうのが一番です。翌日になれば鬱になった記憶も薄まっているはずです。「暗い話は夜するな」とは佐賀のがばいばあちゃんの言葉です。昔の人の知恵を借りるのもありでしょう。
思いを表明する
ブログやSNSで感じたままに書いてみよう
何かうつうつとして気が晴れないときにはその感じたままの感情を表に出してみましょう。何も人に話す必要はありません。自分のブログ、SNSで自分の思いを書き込んでみましょう。
もしブログやSNSをやっていなくても何か日記帳のようなものに書き込んでもいいでしょう。思いをどこかに吐露することによってストレスが発散されることは心理学的に証明されていることで効果が望めるでしょう。
鬱映画ランキング【名作】37選のまとめ
とくに実際の事件を元に描かれた作品は高い評価を受けているものが多いようです。現実に勝る鬱になる物語は映画や小説、漫画にはないのかもしれません。もしかしたら、あなたも明日、いや、もうすでに鬱になるような映画の元となる事件に巻き込まれているのかもしれません。くれぐれもランキングに登場した映画の主人公にはなりませんようご注意ください。
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